転職経験者に学ぶ!職種別転職体験談

施設長として、自分よりスキルの高い職員を管理しなければならない時に、この仕事の難しさを実感。

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Oさん / 52歳 / 男性 / 大阪府
転職前:施設長、ケアマネージャー
転職後:施設長

転職成功

-転職前の企業での業務内容を詳しく教えてください。
サービス付き高齢者向け住宅と小規模多機能型居宅介護での施設長及びケアマネジャーを担当していました。
施設では人事関係や施設の管理・運営・広報活動全般を行なっていました。
以前は施設ケアマネジャーを担当してきましたが、施設全般の管理は慣れていない仕事だったので着任当時は大変苦労しました。でもエリアマネージャーや近隣施設の施設長が不明点を丁寧にレクチャーして下さいましたので、なんとかこなすことが出来たと思います。

①労務管理の業務
介護職員や介護補助職員の補充(求人活動・面接対応・新職員へのオリエンテーション・内部職員へ研修等の管理を担当していました。)
他には勤怠管理、勤務表の作成など、事業所内の労務管理全般を担っていました。
初めて行なった労務管理業務に戸惑いは有りましたが、本部には給与計算、勤怠管理のフォローなどを行ってくれる人事部の事務社員がいましたので、不明点には迅速に対応くださり安心でした。
不安からのスタートでしたが、チャレンジしてみると案外頑張れたかなと思っています。

②事業所の運営
施設長と兼任でケアマネジャーを担当していました。主に施設居住利用者のケアプランを立案して、プランに基づき支援体制を整えていました。
事業所内では定期的に運営会議を開催して、支援体制の整備・施設運営に関わる従業員へ情報共有と施設方針を伝達していました。
協働して行うケアや支援体制の整備・管理はとても難しいと感じていました。メンバーの思いを推察したり、チーム内の方向性を擦り合わせることが特に悩みました。

③緊急時の対応
利用者の突発的な事故や病気、職員の衛生面の管理も行いました。夜間の緊急出動、職員の当日欠勤や遅刻の時にはシフトの穴埋めを調整も行なっていました。
施設運営は24時間体制で欠員(病欠や突発的な理由での職員の休み)の補充では困ることは時々ありました。決められた人員で行う代替の依頼は職員の体調を考えて慎重に行う必要がありました。誰も替わることができない時には自分で替わることもありましたので、負担感は少しありました。

④広報活動
オープニングから在籍した事業所だったので、近所へのチラシ撒きから広報活動をはじめました。1日にみんなで1万枚以上を撒くこともありましたが、励まし合って達成出来たこともありました。
また地域の介護支援事業所や地域包括支援センターには定期的にお伺いして、連携させていただきました。努力の甲斐もあり、すぐに事業所は満床となりました。その後はネームバリューの高い法人だったこともあり、空床で困ることはほとんどありませんでした。
当初はチラシ撒きをチームみんなで行いましたが、満床となったので必要なくなり運営に集中できたことはとても良かったと思えました。
-転職を考えたきっかけを教えてください。
沢山の業務を担当できたことで経験値を増やせた利点もありましたが、疲労感を感じたことが退職した理由です。
例えば、地域でインフルエンザが大流行した時期に、夜間の救急搬送が月に何度も重なったことがありました。
この時は私の出動回数が増えてしまったことで、体調を崩してしまいチームに大きな迷惑をかけてしまいました。欠勤したことで自分の責務を果たせないジレンマがあったので、管理者を続ける自信を無くしてしまいました。
他にも介護職からスタートして様々なサービスを知識としては理解してきたつもりでしたが、サービス付き高齢者向け住宅や小規模多機能型居宅介護のサービスは実際に携わると頭の中で想像したものとは異なることが多かったように思います。
もっと理解を広げて、より幅広い知識が必要と感じることもありました。
-この業務だけはもっと続けたかったという業務があれば教えてください。
小規模多機能型居宅介護のケアマネジャーとして沢山の利用者を担当していましたので、退職をするのはとても悩みました。
最初の面接から関わり、サービス付き高齢者向け住宅への入居希望者にはケアプランの作成など、最初から関わってきました。
入居前からの相談支援を利用者や家族に対しても一緒に関わりました。それだけに退去されるまでは自分に責任があると感じてきましたが、途中で退職してしまったので、やるせない思いは今も感じています。
-転職活動はどのように行いましたか?
まずはハローワークへ行って求人票を確認しました。希望する介護施設の管理者求人は殆ど見当たらなかったので、介護や福祉業界の合同面接会にも参加しました。説明会にもいくつか参加して希望の求人を探しました。でも退職した経緯もあり、あまり前向きになれませんでした。

就活を開始してしばらくたって頃、転職サイトからオファーをいくつかいただきました。
気持ちがすさみがちでしたが、まだまだ必要としてくれる場所が有るかもしれないと思えるようになりました。
そして担当してくださった方へ希望の条件を話すうちに具体的な応募先が定まってきました。
最後に紹介くださった求人では面接対策や法人の内情など、求人票に掲載していること以上の生きた情報を教えていただきました。
その結果、自分の理想とする有料老人ホームへ就職することができました。
-転職後の会社に入社を決めた理由を教えてください。
退職した経緯もあり、気持ちが前向きになれなかったのですが、以前に登録していた転職サイトからオファーを頂き、そのメールの中に転職の経緯や退職の顛末を詳細に書かれてある記事を拝見しました。
『仕事をしていると迷惑をかけてしまうこともあるが、反対に貢献している場面もきっとある。お互いさまが協働作業といえる』この一文に共感して、とても励まされました。この出来事は私が復帰できたきっかけのひとつになりました。
それからハローワークや就職サイト、転職エージェントへ登録して就活を行いました。長く働ける場所でやりがいの持てる場所が有れば応募したいと考えられるようになりました。
転職先の条件面の希望は家族とも話し合い決めて、『自宅より1時間以内の場所で、家族と暮らしていける給与』を条件としました。
そして紹介いただいた求人の中で、有料老人ホームの管理者がありました。
おもてなしのこころが高いと感じられた施設で、自分がレベルアップできると感じたことや、初めてのサービス形態にわくわくする思いを持てたことが応募を決めた理由です。
そして条件面でも通勤面の条件が合致したことや、給与が高くやりがいを感じられそうだったことことも入社を決めた要因でした。その後はご縁をいただき入社できることとなりました。
-転職後の会社での業務内容を詳しく教えてください。
有料老人ホームでの管理者及び施設長を担当していました。
転職前と比較すると大規模な施設での管理運営業務となりましたので、スキル不足を痛感しました。バックアップ体制が充実していましたので、私にとってとても働きやすい施設でした。

・労務管理の業務
職員の勤怠管理、勤務表の作成を行ないます。そしてタイムカードや不備の最終チェックを行なっています。給与計算などの事務は本部で担ってくださいました。不明点への質問に対しては丁寧に何度でも対応して頂ける環境です。

・施設のビル管理
エレベーターや自動ドアなど、ビルメンテナンスの定期管理を行なっていました。実際の点検は業者へ一任していましたので、連絡のタイミングや故障時の対応だけを担当してきました。
ビルの管理は調子良く稼働していれば対応も少ないのですが、故障や誤作動、災害等の突発的な状況ではとても大変です。大きな地震があったときにはエレベーターやガスが止まってしまい車椅子利用の入所者様が取り残されてしまう事がありました。復旧までは食事を部屋へ運んだり、入浴ができないので、清拭介助へ切り替えて支援する事もありました。
必要な点検の時期や点検項目については前任者からの的確な申し送りとフォローアップが万全で困る場面はほとんどありませんでした。

・各種委員会や研修・イベントの主催、フォローの業務
毎月定期開催する委員会の主催やフォロー、参加など、ほぼ全ての会議へ状況確認のために参加してきました。職員が自発的に動けるベテランが多いので、フォローをすることはありませんでした。
介護職の管理者やケアマネジャー、看護主任など、しっかりと運営面のフォローをしてくれるので困った時も良き相談相手になってくれます。
イベントの企画ではコンサートや舞踊、季節のイベントなど、協力してくれる外部のボランティアや協力者はたくさんいますのでり入居者からは楽しみにして頂くことが多かったです。とても盛り上がるイベントが多く盛況でした。

・施設の運営
新規入所者への広報活動は定期的に行なっていました。近隣の関連病院やクリニック、他の介護事業者、地域の高齢者会などお伺いしていました。地域でのネームバリューは高く、それほど広報活動で苦戦することはありませんでした。
定期的に法人の会議へ出席して状況報告をしていました。困り事をフォローや、必要な研修なども企画してくれましたのでとても助かっています。
-入社前のイメージと違っていたところはどんなところですか?
福祉施設ではあるが、利用者に対するサービスへのこだわりが強く『喜んでもらえるには、何をすれば良いのか』をいつも追求している会社です。
福祉経験は長いものの、おもてなしのサービスへの意識が乏しかったので、とても勉強になりました。
また職員の意識の高さにも驚かされました。ケアを行う時の目線や声掛けのスキル、タイミング、他にも清掃の徹底なども驚かされました。
高額の有料老人ホームならではのサービスは、最初に考えていたものよりもさらにレベルが高かったと感じました。
-仕事の難しさ、辛さを感じた点はありますか?またそれはどのように克服しましたか?
自分の力量ではとても敵わないと思えるスキルの高い職員に対して、施設長として管理をしないといけない場面で難しいと感じました。
そんな時に1人の職員から『私たちともっと一緒に業務をやってみないか』と提案され現場へ出る量を増やすことで、現場の仕事内容や悩み、困り事をより深く理解することができました。
夜勤を経験した時には、自分の経験値には無かった丁寧な寄り添うケアや、スピードに重きを置かない利用者本位のサービスに感激しました。
机上の作業効率ばかりを考えていると見えてこない真心のケアを感じられました。
このような体験から現場を知ることで、職員を尊敬できたり、知らない事を理解できた時間となりました。
互いに理解を深めると軋轢も出ますが、配慮しようと思えるようになります。このお互いを分かろうとする想いが結果的に、チームケアを前進させるきっかけとなりました。
-仕事の中でやりがいを感じた部分はどこですか?
調和を大事にする心や同僚へ配慮する心遣いをチームが持てていると感じた時にはやりがいを感じます。
対人援助は気遣いがのスキルが無いと難しいと思っています。
私自身も常にチームメイトへ配慮できるよう対話したいと考えています。これは現チームの職員から教わった大きなスキルだと思います。
今も完成形には遠いですが、もっとみんなで追求して利用者が幸せに暮らせる楽しい施設運営を心がけたいです。
-転職は成功でしたか?失敗でしたか?
成功だったと思います。
以前の職場では自分のスキル不足から反省点が多々ありましたが、今は出来ないながらも、前を向けていると感じています。
-なぜそのように感じましたか?
チームメイトの優しさに触れる事ができたり、辛いと感じる時も助けてもらう事が、あまり窮屈に感じさせない社内風土があるからです。
また頑張った分だけ会社からはボーナスや昇給など評価くださるのでモチベーションにつながります。
そして様々な研修プログラムにより介護初任者だけでなく、中堅からベテランそして管理者についても受講できる研修を準備してくれています。
-この仕事の個人的な楽しみ方を教えてください。
人の意見を柔軟に取り入れられる自分であれば、前職のような失敗を重ねることはなかったと思います。
他人は自分を見抜いていて、自分は自分のことを理解出来ていないことも多くある。
管理者が力技で人を管理しようと思っても人は一緒に前を向いてくれないと痛感しました。

「全てを知らないといけない、できないといけない」とこれまでは気持ちを張りつめてきましたが、『頼ることのできる力』が実はチームを動かす大きなスキルであると今は強く感じています。
このことから.、人に頼れる(人を信頼できる)自分でありたいと思っています。
-この転職からどのようなことを学びましたか?
机上の理論や法律の知識、介護技術は大切なスキルですが、その上位にあるのは他者理解や歩み寄れる度量ではないかと思っています。
自分がモチベーションを持って前向きに仕事するためには、人を育てようと過度に考えず、一緒に成長しようと思える管理者でありたいと考えています。
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