認知症の親の介護と、仕事との両立。施設入居は本当に”悪い選択”なのか?
認知症の親の介護と、仕事との両立。施設入居は本当に”悪い選択”なのか?
まずは、ご相談内容を詳しく見ていきましょう。
認知症の両親について相談させてください。両親とも80才で認知症があり、要介護2です。私たち兄弟はみんな県外に出ているため、1年くらい前から週3回のデイケアに通い、それがない日はヘルパーさんが来てくれています。2人とも薬はきちんと飲めないので、ヘルパーさんなどがチェックしてくれています。
鍵や現金・通帳・印鑑など、大切なものもしまいこんではどこへ置いたかわからなくなるので、数か月前から鍵はヘルパーさんに預け、通帳・印鑑は私が持ち帰りました。現金は1ケ月に1回程度帰るときに必要そうな額のみ置いて帰っています。それでもお金が無くなった、取られたなどよく言ってきます。
以前は家にこもりがちでデイケアに行くのも嫌がっていたのですが、最近では喜んでいくようになり、それはうれしいことなのですが、今度は自分たちで外出したがるようになってしまいました。ヘルパーさんが気づいて止めたらしいのですが、なかなか聞かず、止めるのに一苦労だったようです。ヘルパーさんは1日のうち1時間程度しかこないので、誰も知らないところで両親が外出しているかもしれません。方向がわからなくなり外出したものの帰ってこれなくなったり事故にでもあったらと思うと心配でなりません。かといって仕事の都合などで実家に戻ることもできません。
できるだけ家で過ごすのがいいとは思うのですが、他人が鍵を開けて自由に出入りし、自分の財産管理もできず、思うままに外出もできず、それで両親は本当に幸せなのでしょうか?多少の資産はあるので至れり尽くせりの施設に入ってその中でゆったりと過ごすほうが両親にもいいと思うし、私たち兄弟も安心だと思うのですが、なかなかみんなの意見があいません。
同じような状況にいらっしゃる方、似たような経験をされた方がいらっしゃいましたら、アドバイスしていただけないでしょうか。宜しくお願い致します。
この度は、ご両親の介護と、その状況下でのご自身の葛藤についてのご相談、誠にありがとうございます。ご両親の認知症が進み、介護が必要な状況でありながら、ご兄弟それぞれが県外にお住まいで、仕事との両立に苦労されている様子が伝わってきます。ご両親の安全と安心を願う気持ち、そして、ご自身の将来への不安、様々な感情が入り混じり、大変なご心境かと思います。
今回の記事では、認知症の親御さんの介護と、仕事との両立に悩むあなたに向けて、具体的な解決策と、より良い選択をするためのヒントを提供します。特に、施設入居という選択肢について、様々な角度から検討し、ご家族にとって最善の道を探るためのお手伝いをさせていただきます。
1. 現状の整理:抱えている問題と、本当に必要なこと
まずは、現状を整理し、問題点を明確にすることから始めましょう。ご相談内容から、主に以下の点が問題として挙げられます。
- ご両親の安全確保: 徘徊による事故や、外出中のトラブルのリスク。
- 財産管理の不安: 金銭管理の難しさ、紛失や詐欺のリスク。
- 介護負担の増大: ヘルパーさんだけでは対応しきれない部分、ご自身の精神的・肉体的負担。
- 家族間の意見の相違: 施設入居に対する考え方の違い。
これらの問題を踏まえ、本当に必要なことは、以下の3点に集約されます。
- ご両親の安全と安心の確保: 事故やトラブルから守り、穏やかな生活を送れるようにすること。
- ご家族の負担軽減: 介護に関わる時間的、精神的、経済的負担を軽減すること。
- ご家族みんなが納得できる選択: 互いの意見を尊重し、将来を見据えた最善の選択をすること。
2. 施設入居という選択肢を、多角的に検討する
ご相談者様は、施設入居について迷われているとのこと。施設入居は、決して「悪い選択」ではありません。むしろ、ご両親とご家族にとって、より良い選択肢となる可能性も十分にあります。ここでは、施設入居のメリットとデメリットを、多角的に検討してみましょう。
2-1. 施設入居のメリット
- 24時間体制のケア: 介護士が常駐し、食事、入浴、排泄、服薬など、日常生活のあらゆる面でサポートを受けられます。夜間も対応してくれるため、ご家族の負担が大幅に軽減されます。
- 専門的な医療ケア: 医療機関との連携があり、持病の管理や急な体調不良にも対応できます。認知症の進行に合わせたケアも受けられます。
- 安全な環境: 徘徊防止対策や、転倒防止対策など、安全に配慮した環境で生活できます。
- レクリエーションや交流の機会: 他の入居者との交流や、様々なレクリエーションを通して、心身機能の維持・向上を図ることができます。
- ご家族の安心: 専門家によるケアを受けられることで、ご家族は安心して仕事や自分の時間を過ごすことができます。
2-2. 施設入居のデメリット
- 費用: 入居一時金や月額利用料がかかります。施設のグレードやサービス内容によって費用は大きく異なります。
- 環境の変化: これまで住み慣れた家から離れることになり、環境の変化に適応するのに時間がかかる場合があります。
- プライバシーの制限: 個室であっても、ある程度の共同生活となるため、プライバシーが制限される場合があります。
- 家族との距離: 施設が遠方にある場合、頻繁に面会に行くことが難しくなる場合があります。
- 入居待ち: 人気のある施設では、入居までに時間がかかる場合があります。
2-3. 施設の種類と選び方
施設には、様々な種類があります。ご両親の状況や、ご家族の希望に合わせて、最適な施設を選ぶことが重要です。
- 特別養護老人ホーム(特養): 介護保険が適用され、比較的費用が安く、終身利用が可能です。ただし、入居待機期間が長い傾向があります。
- 介護老人保健施設(老健): 医療ケアやリハビリに重点を置いています。在宅復帰を目指す方が多く利用します。
- 介護付き有料老人ホーム: 24時間体制の介護サービスが受けられます。比較的費用は高めです。
- 住宅型有料老人ホーム: 生活支援サービスが中心で、介護が必要な場合は外部の訪問介護サービスなどを利用します。
- グループホーム: 認知症の方を対象とした、少人数制の共同生活施設です。
施設を選ぶ際には、以下の点を考慮しましょう。
- ご両親の心身の状態: 認知症の進行度合い、身体的な状態、持病などを考慮します。
- 立地: ご家族が面会に行きやすい場所にあるか、周辺環境はどうかなどを考慮します。
- 費用: 予算内で利用できる施設を選ぶ必要があります。
- サービス内容: 介護・医療体制、レクリエーション、食事内容などを確認します。
- 施設の雰囲気: 見学に行き、入居者の様子やスタッフの対応などを確認します。
3. 施設入居以外の選択肢も検討する
施設入居だけでなく、他の選択肢も検討することで、より良い選択ができる可能性があります。
3-1. 在宅介護の継続
ご両親が自宅での生活を希望される場合、在宅介護を継続することも可能です。ただし、安全確保や介護負担の軽減のために、以下の対策を講じる必要があります。
- 訪問介護サービスの拡充: ヘルパーさんの利用回数を増やし、24時間対応できる体制を整える。
- デイサービスやショートステイの活用: 日中の活動や、短期間の宿泊サービスを利用することで、ご家族の負担を軽減する。
- 福祉用具の導入: 手すりの設置、段差の解消、介護ベッドの導入など、安全な生活環境を整える。
- 見守りシステムの導入: センサーやカメラなどを設置し、ご両親の安全を見守る。
- 家族の協力体制: 兄弟姉妹や親族で協力し、交代で介護を行う。
3-2. サービス付き高齢者向け住宅(サ高住)
生活支援サービスと、介護が必要になった場合は介護サービスを受けられる住宅です。安否確認や生活相談などのサービスが提供され、比較的自由度の高い生活を送ることができます。
3-3. 認知症対応型共同生活介護(グループホーム)
少人数で共同生活を送りながら、認知症ケアを受けられる施設です。家庭的な雰囲気の中で、穏やかな生活を送ることができます。
4. 家族会議で、建設的な話し合いをするために
施設入居を含め、どのような選択をするにしても、ご家族みんなで話し合い、合意形成を図ることが重要です。家族会議を効果的に行うためのポイントをご紹介します。
- 事前に情報収集: 施設の情報を集め、それぞれの選択肢について理解を深めておく。
- それぞれの意見を尊重: 誰かの意見を否定するのではなく、それぞれの思いや考えを尊重する。
- メリットとデメリットを共有: 各選択肢のメリットとデメリットを客観的に共有し、比較検討する。
- 感情的にならない: 感情的にならず、冷静に話し合う。
- 専門家の意見を聞く: ケアマネージャーや医師など、専門家の意見を聞き、参考にしながら話し合う。
- 妥協点を探す: 全員が完全に納得できる選択肢は難しいかもしれませんが、お互いが納得できる妥協点を探す。
- 定期的な見直し: 一度決めた後も、ご両親の状況や、ご家族の状況に合わせて、定期的に見直しを行う。
5. 仕事との両立を支援する、様々な制度とサービス
介護と仕事を両立することは、容易ではありません。しかし、国や自治体、企業には、介護と仕事を両立するための様々な制度やサービスがあります。積極的に活用しましょう。
- 介護休業: 介護が必要な家族を介護するために、最長93日まで休業できます。
- 介護休暇: 1年に5日まで、介護のために休暇を取得できます。
- 勤務時間の短縮や変更: 勤務時間の短縮、時差出勤、在宅勤務など、柔軟な働き方を選択できる場合があります。
- 介護保険サービス: 訪問介護、デイサービス、ショートステイなど、様々な介護保険サービスを利用できます。
- 介護に関する相談窓口: 地域の包括支援センターや、各自治体の介護保険課などで、介護に関する相談ができます。
- 企業の福利厚生: 介護に関する相談窓口や、介護費用の補助など、企業の福利厚生を利用できる場合があります。
これらの制度やサービスを積極的に活用することで、介護と仕事の両立を支援することができます。ご自身の会社の制度や、地域のサービスについて、詳しく調べてみましょう。
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6. 成功事例から学ぶ:介護と仕事の両立を実現した人たち
実際に、介護と仕事を両立している人たちの事例を参考に、具体的なヒントを得ましょう。
6-1. 事例1:フルタイム勤務をしながら、施設入居を選択
40代の女性、Aさんは、認知症の母親の介護と、フルタイムの仕事の両立に悩んでいました。母親の安全確保が最優先と考え、家族会議の結果、施設入居を選択。最初は母親も抵抗がありましたが、徐々に慣れ、他の入居者との交流を楽しむようになりました。Aさんは、週末に面会に行き、一緒に食事をしたり、外出したりすることで、母親との絆を深めています。仕事では、上司や同僚に介護の状況を理解してもらい、急な休みにも対応してもらえるように、日頃からコミュニケーションを密にしています。
6-2. 事例2:在宅介護を継続しながら、テレワークを活用
50代の男性、Bさんは、認知症の父親の介護を、妻と協力して行っています。父親は自宅での生活を希望しており、Bさんは、テレワークを活用することで、介護と仕事の両立を実現しています。日中は、妻が介護を行い、Bさんは、仕事の合間に父親の様子を見たり、食事の準備を手伝ったりしています。週末は、Bさんが中心となって介護を行い、妻は休息をとっています。Bさんは、地域の介護サービスや、民間のサービスを積極的に利用し、介護負担を軽減しています。
6-3. 事例3:転職で、介護に理解のある職場へ
30代の女性、Cさんは、認知症の祖母の介護と、仕事の両立に苦労していました。現在の職場では、介護に対する理解が得られず、休みを取りづらい状況でした。そこで、Cさんは、介護に理解のある企業への転職を決意。転職活動では、介護と両立したいという思いを正直に伝え、面接官に理解を求めました。その結果、介護休暇や、柔軟な働き方を認めてくれる企業に転職することができました。Cさんは、新しい職場で、介護と仕事を両立しながら、キャリアアップを目指しています。
これらの事例から、介護と仕事の両立は、決して不可能ではないことがわかります。それぞれの状況に合わせて、最適な方法を見つけ、工夫することで、両立を実現することができます。
7. まとめ:あなたにとっての「最善の選択」を見つけるために
この記事では、認知症の親御さんの介護と、仕事との両立に悩むあなたに向けて、様々な情報を提供してきました。最後に、今回の内容をまとめ、あなたにとっての「最善の選択」を見つけるためのヒントを提示します。
- 現状を把握し、問題点を明確にする: ご両親の状況、ご自身の状況、家族間の関係性などを整理し、抱えている問題を明確にしましょう。
- 選択肢を多角的に検討する: 施設入居、在宅介護、サービス付き高齢者向け住宅など、様々な選択肢を比較検討し、それぞれのメリットとデメリットを理解しましょう。
- 家族会議で、建設的な話し合いをする: 家族全員で話し合い、互いの意見を尊重し、合意形成を図りましょう。
- 制度やサービスを積極的に活用する: 介護休業、介護休暇、介護保険サービスなど、利用できる制度やサービスを積極的に活用しましょう。
- 成功事例を参考に、ヒントを得る: 介護と仕事を両立している人たちの事例を参考に、具体的なヒントを得て、自分に合った方法を見つけましょう。
- 専門家への相談も検討する: ケアマネージャー、医師、ファイナンシャルプランナーなど、専門家への相談も検討し、アドバイスを受けましょう。
介護は、長期にわたる可能性があります。焦らず、じっくりと時間をかけて、ご両親とご家族にとって、最善の選択を見つけてください。そして、ご自身の心身の健康を第一に考え、無理のない範囲で、介護と仕事を両立していきましょう。あなたの選択が、ご両親の笑顔につながり、あなたの将来を明るく照らすことを、心から願っています。
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